2026年02月24日

【タカマツハウスMVV策定】プロセスや裏側をタカマツハウス取締役専務執行役員・金田さんとワンパク代表・阿部にインタビュー

タカマツハウスインタビューカバー画像

タカマツハウスは、急成長期の最中でも「タカマツハウスらしさ」を失わないため、企業理念・行動規範・コアバリュー、そしてビジョン/ミッションの言語化に取り組みました。策定から約5年が経った今も、社内研修のための40分間のeラーニングや朝礼で定期的に行動規範を読み上げるなどの取り組みを通じて、言葉とプロセスが組織に根付いています。

本記事では、ワンパクが支援した、プロジェクト当時(2021年5月〜10月)の舞台裏と、言葉が社内に定着していった背景を、タカマツハウス取締役専務執行役員の金田さんとワンパク代表の阿部が振り返ります。

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タカマツハウス株式会社 金田 健也 × 株式会社ワンパク 阿部 淳也

金田 健也(かねだ たつや)
タカマツハウス株式会社 取締役専務執行役員 事業推進部門管掌

大和ハウス工業に25年半勤め、戸建住宅の営業からマーケティング、事業企画、現場責任者までを担う。「ミスター大和ハウス」と呼ばれるほどの経験と実績をもとに、2019年にタカマツハウスの立ち上げから参画し、現在はマーケティング・事業企画・採用・人材育成など、事業成長を担う各部門を統括している。

タカマツハウス株式会社 金田 健也

阿部 淳也(あべ じゅんや)
株式会社ワンパク 代表取締役社長

74年宮城県生まれ。自動車メーカーでのユーザーインターフェースエンジニアを経て、IT部門でデザイナー・テクニカルディレクターを経験。2004年より広告代理店系プロダクションにてクリエイティブディレクターとして従事した後、2008年に株式会社ワンパクを設立。
DMI(旧Web研)Web人賞受賞、企業Webグランプリ「BtoB部門グランプリ」受賞など

株式会社ワンパク 代表取締役社長 阿部 淳也
事業拡大のために“企業の背骨”づくりがスタート
ワンパクとの出会いはいつ頃ですか?

【金田さん】私が大和ハウス工業に在籍していた2010年頃に、大阪で阿部さんと出会いました。

【阿部】そうですね。大和ハウス工業はワンパク創業初期のクライアントの1社でした。2012年に当社が大阪オフィスをつくった際にマーケティングイベントでよく顔を合わせるなど、交流はずっと続いていました。

MVVの策定をワンパクに依頼した経緯を教えてください

【金田さん】2021年の年始に、阿部さんがお年賀を持って挨拶にきてくださったことがきっかけです。そこでタカマツハウスの今後の事業拡大について話をしたところ、阿部さんから「そろそろ企業理念や行動規範を策定する時期なのではないか」とご提案いただきました。

当時の社員数は40名ほどで社員同士の距離が近く、タカマツハウスとして大切にしていることは自然と全員が理解できている状況でした。しかし毎月のように新たな社員を採用するにあたり、価値観を明文化したものがなければ、タカマツハウスらしさが失われてしまうのではないか、という危機感がありました。
価値観を共有しないまま会社を大きくすることは、成長ではなく膨張です。正しく成長するために、阿部さんには良いタイミングでご提案いただいたと思います。

【阿部】「これから100名、200名と社員が増えていく中で、組織をまとめるには、企業としての背骨が必要だ」とお伝えしたことを覚えています。ワンパクは過去に、都内の大手工務店のブランディングを支援したことがあり、そこで得たハウスメーカーの知見を活かせばタカマツハウスのお力になれると思いました。

【金田さん】阿部さんからワンパクの事例を聞き、我々が必要としている経験や実績をお持ちだと感じたので、依頼に至りました。

潜在的な想いを導き出す!プロセスデザインとディスカッション
プロジェクトはどのように進行しましたか?

【金田さん】まずは、全社員を対象にした定量アンケートと、各部門の社員4名へのインタビューを実施し、現場の声を把握することからはじまりました。さらに代表の藤原や私をはじめ、役員層へのインタビューを通じて、社員に対する想いや我々の事業の価値、会社をどのように成長させていきたいのかを阿部さんに深掘りしていただきました。

そうして浮かび上がった重要なキーワードを抽出・整理し、競合調査と並行してワーディングした後に、ブランドを整理するフレームに落とし込んでいきました。

【阿部】まず企業理念を軸として言語化することで、ビジョンやミッションの方向性が見えてきます。それを社員の行動規範に反映させるので、企業理念・行動規範・コアバリュー・ビジョン・ミッションはすべて繋がっているといえます。

【金田さん】そうした考え方も、最初はわからない状態でしたので、「企業理念やビジョンとはどういうものなのか」「どのような順序で決めていくべきなのか」など基本的なことからレクチャーしてもらい、理解を深めていきました。企業理念や行動規範などをすべて策定した後は、社員がいつでも見返せるための携行カードや会社案内の作成もワンパクさんにサポートしていただきました。

プロジェクトの進行について感じたことを教えてください。

【金田さん】自分たちが大切にしている想いや目標は語れるものの、実は本質的な部分をわかっていなかったことに気付かされました。私たちの潜在的な想いを阿部さんが引き出し、的確に言語化してくれたので、ミーティングのたびに新たな発見と納得感がありましたね。

阿部さんは最終的なゴールを見据えたうえで何でも先回りして準備してくださるので、進行やスケジュール管理も含めて信頼して任せられます。その安心感から、私は出力する側に徹することができました。

【阿部】プロセスデザインはワンパクが得意としている領域のひとつです。基本的にはアウトプットまでの道筋を最初に明確にし、それに則ったファシリテーションをおこないます。

ただ、我々が最も大切にしていることはディスカッションです。外部の立場としての客観性を持ちつつ、タカマツハウスの一員という意識で、金田さんはもちろん現場のみなさんや経営幹部とやり取りを重ねていきました。一人ひとりの意見や想いは異なる部分もありますが、それを集めてひとつの背骨にしていくことを常に意識していました。

導き出された「潜在的な想い」とは、どのようなものがありましたか?

【金田さん】一番の発見は、タカマツハウスは“最高”の住まいではなく、“最善”の住まいをつくっているのだという気づきでした。コストを気にせず最も良い素材を使用すれば、“最高”の住まいは誰にでも実現できます。しかし、我々は社会やお客さまにとって最も善い住まい、つまり“最善”を提供しているのだと改めて気づくことができました。

【阿部】「時代とともに求められることは変化していく」という話も、ディスカッションの中で出ましたね。当時はコロナ禍で、世の中の価値観や暮らしが大きく変わりましたし、コロナが落ち着いたらまた新たな価値観がきっと出てくるだろうと。

【金田さん】そうですね。コロナのような外的要因に加えて、お子さまの誕生やご両親との同居をはじめとする家族構成の変化にも柔軟に対応できる、“最善”の住まいを提案する。
そんな想いをコアバリューに込めました。

さらに、タカマツハウスの営業担当は、お客さまの最善の暮らしを実現するために、土地の仕入段階から多くの時間と労力をかけています。当初はこれを土地の“目利き”と表現していたのですが、どうしても商売のニュアンスが強く出てしまう。そこで阿部さんが導き出してくれた言葉が、“厳選”です。さまざまな角度から土地を見て、プロとして厳しく選び抜くという、我々の想いと姿勢を表した言葉です。

社会やお客さまの“最善”を、「厳選」し、「かたち」にする力。これが最終的に、タカマツハウスのコアバリューとなりました。

MVVを策定するうえで大切にしていたことを教えてください。

【金田さん】幹部の想いを社員に押し付けることはしたくなかったので、みんなが大切にしていることを、みんなの言葉で語れるような企業理念・行動規範にこだわりました。

【阿部】現場のスタッフの方々も含め、全員で一緒に考えたものだということを感じてもらうために、トンマナや打ち出し方は最後まで丁寧にチューニングしましたね。

今だから話せる裏話はありますか?

【金田さん】阿部さんとはディスカッションを毎週おこない、Web上で1枚のホワイトボードに記録をすべて残していました。そこに社員インタビューの中から抽出した言葉などを付箋で貼っていくという宿題を出されるのですが、これが本当に大変で…(笑)

【阿部】膨大な数の付箋がありましたね(笑)

【金田さん】大変でしたが、社員が挙げてくれたキーワードはすべて拾いたかったので、必死にやりましたね。採用したいキーワードが多すぎて、その中から絞り出す作業も心苦しかった記憶があります。

社員の誇りと未来に繋がるMVV
成果物に対する社内の反応はいかがでしたか?

【金田さん】完成した企業理念・行動規範・コアバリュー・ビジョン・ミッションは全社員の前で発表し、策定の経緯や込められた想いも40分ほどかけて伝えました。
社員は食い入るように聞いている様子で、ちゃんと響いたという手応えを感じ、非常に嬉しかったですね。

中には「自分のやってきた仕事が言語化されて、誇りを持てました!」と言ってくれた社員もいて、この言葉は今でも忘れられません。
発表時のスライドは、阿部さんに協力してもらいながらデザインもつくり込みました。

【阿部】全員でつくり上げた成果を発表する機会ですし、スライドは今後も社内で使い続けるだろうと思ったので、写真やビジュアルを含め細部までこだわりクオリティ高く仕上げました。

現在は、成果物をどのように活用していますか?

【金田さん】社員の前で発表した内容は改めて録画し、それをeラーニングに載せ、新入社員に必ず視聴してもらっています。押し付ける形にならないよう、策定プロセスから見てもらったうえで、「行動規範のために自分たちは何をすべきか」を考える研修も取り入れているところです。

プロジェクト当時は40名ほどだった社員は130名を超えましたが、企業理念や行動規範という共通の価値観を持つことで、社員全員が同じ方向を向くことができていると感じます。
また、月初の朝礼では当番が行動規範を一項目ずつ読み上げ、日々の業務における行動規範に沿った出来事を発表しています。

【阿部】プロジェクトから5年が経ち、今でも策定したMVVをプロセス含めて大切にしてもらえていることや、新たな社員の方にもその想いがしっかり浸透している様子がうかがえて嬉しい限りです。

新たな挑戦に伴走し続ける
今回のプロジェクトを通して、お互いに感じた印象を教えてください。

【金田さん】阿部さんの印象は、正直ほとんど変わっていません。付き合いも長いですし、良い意味でいつもフラットで、言うべきことをちゃんと言ってくれる。その姿勢が今回も変わらなかったので、安心して任せられました。

【阿部】タカマツハウスさんは、役員のみなさんも含めて熱量が高い。みなさんがしっかり意見を持っているからこそ言葉が“上の人が決めたもの”にならず、ちゃんと自分たちの言葉として浸透したんだと思います。5年経ってもみなさんの中で活かされている状況をうかがって、改めてすごいなと感じました。

今後、ワンパクと一緒に取り組んでみたいことはありますか?

【金田さん】オリジナルノベルティの制作を毎年ご支援いただいているので、今後も引き続きお願いしたいと思っています。もともと、ワンパクさんがお年賀などで制作していたオリジナルノベルティがとても魅力的で、当社でもつくりたいと阿部さんに相談させていただいたのが始まりです。商品選定からデザインまで携わってもらい、これまでに、厳選した茶葉を使用したお茶や有明産のこだわりの海苔などに、会社のメッセージを込めて制作してきました。

【阿部】ノベルティは社外の方々とのコミュニケーションツールになりますし、お客さまの印象にも残ります。ノベルティのメッセージをMVVと繋げることで、社員が自分の言葉で会社を語れる機会にもなる。MVV策定を支援させていただいたワンパクだからこそ、一貫したメッセージを込められると思っています。

【金田さん】ワンパクさんには何でも相談しやすいですし、こちらの依頼に対して一捻り、二捻りしたアイデアを提案してくださるので頼りがいがあります。

【阿部】金田さんからの相談も、何かが決まった段階からではなく、問題や課題を言ってくれることからスタートします。なので、僕らのクリエイティビティを発揮して、一緒になってアイデアを膨らましていける、そんな関係値でお仕事できることが本当に感謝ですね。ワンパクとしても、このご縁に感謝しつつ、これからも、タカマツハウスのビジネスに少しでも貢献できるように頑張っていければと考えています。引き続きよろしくお願いします。

【金田さん】こちらこそ、よろしくお願いします。

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